Lenovo Chromebook S330を使ってみた
Lenovo Chromebook S330を購入しました。ChromebookというのはChrome OSを搭載したPCの総称です。Chrome OSというのはGoogleが開発しているOSで、軽量で軽快な動作が売りです。このPCの最大のメリットは、Chrome OSを搭載したPCを安価で購入できる点だと思います。
2019年12月に購入し半年近く使ってみたので、レビューを残そうと思います。

スペック
スペックを以下の表にまとめました。モバイル用としては標準的な性能だと思います。キーボードが英語配列というところに注意が必要です。
項目 | 値 |
---|---|
OS | Chrome OS |
ディスプレイ | 14 インチ フルHD TN液晶 |
解像度 | 1920x1080ピクセル |
CPU | MediaTek MT8173C 2.10GHz |
RAM容量 | 4096 MB |
ストレージ容量 | eMMC 64 GB |
商品の重量 | 1.5 Kg |
キーボード | 英語配列 |
接続方式 | USB3.0(TypeC)×1(電源兼用)、USB3.0(TypeA)×1、HDMI×1、SDカードリーダ×1、ヘッドホンジャック×1 |
メリット
動作が軽快
起動やシャットダウンが非常に高速です。起動してログイン画面に掛かる時間が11秒、パスワードを入力してデスクトップ画面が使えるようになるまでが約10秒ほどです。使いたいときにサクッとPCが使える状態になります。
また、Windows PCだと、ソフトウェアをインストールするなど使い込んでいるうちに当初の速さが失われていくことがあります。このPCは、ソフトウェアをたくさんインストールしても、同時にたくさん起動しなければ動作が不安定になったり遅くなるようなことはありませんでした。
ハードウェアの性能は高くないですが、Chrome OSのおかげで動作は軽快です。
最低限の端子が揃っている

SDカードリーダ、USB端子、HDMI端子、内蔵のWebカメラ、ヘッドホンジャックと、ひととおりのことができるようになっています。Webカメラを使ったオンライン会議も可能です。搭載端子は、実用面では問題なさそうです。
頑丈そう

HDDのような可動部品がなく、変な出っ張りなどもないため、少しくらいは雑に扱っても壊れにくそうです。子供に使わせるような用途でも、壊れにくいんじゃないかと思います。
全体的に硬い素材でできていて、天板は固くザラザラとした質感です。見た目はまあまあ格好いいのかなぁという印象です。
いろいろな情報がパソコンに依存しない
Chrome OSは、データはGoogleドライブに保存し、アプリはアカウントに紐付けるという設計になっているため、簡単に他のChromebookに作業環境を移すことができます。また、パソコンへログインにはGoogleアカウントを使います。複数のアカウントでログインすることも可能です。パソコンを共有する用途では、それぞれのアカウントでログインし、最後にログアウトすれば、他のアカウントのデータにはアクセスできません。プライバシーは守られるため、共有する用途にも向いていると思います。
デメリット
ややディスプレイが白みがかっている

ディスプレイがやや白みがかって見えます。ディスプレイの色を調整する設定項目は無さそうなので、ディスプレイの物理的な特性として、どうしようもないと思われます。使っているうちに慣れてきますが、色が重要な用途で使うのは厳しいように感じます。ちなみに、ディスプレイを下から覗くようにすると、発色が良いように感じます。
物理的に重い
実測で1.5kgと、手で持つにはややしんどい重さです。基本的には、家でWebブラウジングやWebアプリを利用するためのサブPCとして使うのが一番良さそうです。
キーボードが英語配列

日本語入力しようとすると、キーボードの刻印と実際に入力される文字が異なります。刻印は英語配列ですが、入力される文字は日本語配列に基づいたものになるので、日本語配列を思い出しながら入力する必要があります。
ちなみにフリーカットのキーボードカバーをつけながら使用しています。キーボードは、個人的な感覚としてはペチペチする感触があります。
基本的にAndroid系のソフトウェアしか使えない
Chrome OSで使えるソフトウェアは、2020年現在、以下の4種類あります(挙げ忘れたものないかな?)。
- Chromeアプリ(2022年6月終了予定)
- Androidアプリ
- Webアプリ・サービス
- Linuxアプリ
Androidアプリは、スマートフォンでPlayストアからインストールするのと同じです。スマートフォンのみしか考慮されていないアプリの場合、アプリのウィンドウを大きくしてもスマホアプリが横に引き伸ばされるだけで、非常に操作性が悪いです。Androidアプリによって、ChromeBookやタブレットなどに対応していない場合があるのが欠点です。
Webアプリ・サービスは、Googleドキュメントのようなものです。最近は便利なWebアプリ・サービスが増えており、それらを使えばChromebookでもいろいろな事ができます。一方、このPCのスペックはそれほど高くないため、高機能なWebアプリ・サービスを使おうとすると動作がモッサリします。また、Androidアプリほど数があるわけではないので、Androidアプリの代用にならない場合が多々あります。
Linuxアプリについては後述しますが、日本語入力がうまくできなかったりと、あまり期待できるものではありません。
Linuxが不安定
β版のLinuxが使えます。Debian系のパッケージが使え、パッケージ管理マネージャとしてaptが使えます。また、GUIアプリも使えますが、動作が遅かったり日本語入力ができないなど、快適に使えません。あまり期待しないほうが良いと思います。
まとめ
基本的に、Chromeブラウザを中心に使っていくのが良さそうです。Googleドライブとの相性は良いので、Googleドライブに保存したドキュメントやスプレッドシートをサクッと編集するのに向いています。スペックの問題やChrome OSの設計思想の関係もあり、何かを本格的にやる用途には向いていないと思います。