ヤコビアンの求め方

ヤコビアンをなかなか理解できなかったので、備忘録として書き残します1

しっかりと理解しているわけではないので、間違いや補足すべき事項があるかもしれません。ご了承ください。

求め方

ヤコビアンは以下のように求めます。 \( x \) , \( y \) と \( u \) , \( v \) が反対でも転置行列となるため、行列式は変わりません。

ヤコビアンの計算方法
ヤコビアンの計算方法

変数 \( x \) , \( y \) を変数 \( u \) , \( v \) に変換したいとき、変換元の式は \( x = \) や \( y = \) の形になるように、式変形をします。

番外編1 ~極座標変換で出てくる r ~

極座標変換をすると、\( dxdy \) は \( r drd\theta \) で表されます。 この時のヤコビアン \( r \) の導出方法を解説します。

最初に、\( x \) と \( y \) を極座標変換して、 \( x = r \cos\theta \) , \( y = r \sin\theta \) とおきます。

\( x = r \cos\theta \) , \( y = r \sin\theta \) について次のようにヤコビアンを計算すると、ヤコビアン \( r \) が求まります。

rの導出方法
rの導出方法

番外編2 ~(x-a)^2 + y^2 <= a^2~[2]

\( (x-a)^2 + y^2 \leqq a^2 \) という式を極座標変換をしたときの、 \( r \)の範囲について求めます。

  1. 極座標変換した \( x = r \cos\theta \), \( y = r \sin\theta \) を与式に代入 \[ (r\cos\theta -a)^2 + (r\sin\theta)^2 \leqq a^2 \]
  2. 展開 \[ r^2 \cos^2\theta - 2ar\cos\theta + a^2 + r^2\sin^2\theta \leqq a^2 \]
  3. \( a^2 \) を削除 \[ r^2 \cos^2\theta - 2ar\cos\theta + r^2\sin^2\theta \leqq 0 \]
  4. 「\( \cos^2\theta + \sin^2\theta = 1 \)」を使うためにまとめる \[ r^2 ( \cos^2\theta + \sin^2\theta ) - 2ar\cos\theta \leqq 0 \]
  5. 「\( \cos^2\theta + \sin^2\theta = 1 \)」を適用 \[ r^2 - 2ar\cos\theta \leqq 0 \]
  6. 両辺から \( r \) を割る \[ r - 2a\cos\theta \leqq 0 \]
  7. \( -2a\cos\theta \) を移項 \[ r \leqq 2a\cos\theta \]

半径 \( r \) は、\( r \geqq 0 \) を満たします。

以上より、 \[ 0 \leqq r \leqq 2a\cos\theta \]


  1. 数式をMathJaxで表示するとAMP環境で読み込みが遅くなることがわかったので、部分的にsvg形式の画像で埋め込んでいます(TeXclip というサービスを利用)。 ↩︎

  2. 見出しに数式らしく表示すると表示が壊れてしまうようなので、そのまま記述しました。 ↩︎